神前式は、披露宴を開かず「挙式だけ」で挙げることができます。日本橋日枝神社のように挙式のみを一日一組で執り行う神社があり、香取神宮や猿田彦神社も挙式だけの申込みに対応しています。この記事では、挙式のみの費用の内訳、参列人数、予約から当日までの流れ、式次第を各神社の公式案内をもとに整理します。
神前式だけ(挙式のみ)の結婚式はできる?
結論から言うと、できます。神前式は神社の本殿で行う「挙式」そのもので、披露宴は必須ではありません。挙式だけを受け付けることを公式サイトで明記している神社もあります。
たとえば東京都中央区の日本橋日枝神社は「挙式のみ」を執り行い、一日一組限定です。美容・衣装・写真・披露宴会場は自由に選べるとしていて、挙式後に食事会を開くかどうかも二人で決められます。千葉県香取市の香取神宮は挙式初穂料10万円で挙式を受け付け、三重県伊勢市の猿田彦神社は披露宴(食事会)を併せて行わない場合の条件を公式に案内しています。「挙式だけ」は神社側が想定している申込み方の一つです。
一方で、神社によっては提携の衣装店や式場を通して申し込む形になっていることもあります。まず候補の神社が「直接申し込めるか」「提携先経由か」を確認するところから始めると迷いません。神前式・仏前式の寺社選びガイドでは、この確認の順番をまとめています。
挙式のみでかかる費用の内訳
挙式のみの費用は「神社へ納める挙式料」と「挙式以外にかかる費用」の二つに分けて考えると全体像がつかめます。前者は公式サイトに金額が出ていることが多く、後者(衣装・美容・写真・移動・会食)は二人の選び方で幅が出ます。
| 神社(所在地) | 神社へ納める挙式料 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本橋日枝神社(東京都中央区) | 50,000円/80,000円/100,000円 | 雅楽付。巫女舞の有無・種類で区分。施設使用料・衣装持込料は無料 |
| 香取神宮(千葉県香取市) | 100,000円 | 挙式初穂料。申込金として納める |
| 猿田彦神社(三重県伊勢市) | 180,000円 | 式典料。披露宴を併せて行わない場合は神饌・玉串料20,000円を別途 |
表のとおり、神社へ納める挙式料だけなら5万円〜18万円の幅があります。猿田彦神社のように披露宴を行わない場合に別途の玉串料が案内されている神社もあるので、公式の料金表を項目ごとに読むのが確実です。挙式料の相場や納め方の考え方は神前式の初穂料で詳しく扱っています。
挙式料に含まれるもの・含まれないもの
同じ「挙式料」でも含まれる範囲は神社ごとに違います。金額の大小だけでなく、何が別料金かを見比べてください。
雅楽・巫女舞の有無で区分される例
日本橋日枝神社は挙式料をいずれも雅楽付とし、50,000円は巫女舞なし、80,000円は式神楽の舞あり、100,000円は豊栄の舞ありという区分です。舞の有無で挙式の雰囲気と所要時間が変わります。
施設使用料・持込料が無料の例、別途かかる例
日本橋日枝神社は挙式料のみで、施設使用料・衣装持込料は無料と明記しています。外部で借りた衣装をそのまま持ち込める形です。対して猿田彦神社は式典料とは別に、衣裳持込料22,000円〜、介添えは挙式のみ11,000円(挙式+披露宴は22,000円)と案内しています。別建ての神社では、これらを足した金額で比較してください。
参列人数は何人まで?
参列人数の上限は本殿(御殿)の広さで決まり、神社ごとに公式案内で示されています。呼びたい人数が先に決まっている場合は、この上限で神社を絞ることになります。
日本橋日枝神社は、新郎新婦とは別に両家親族・友人を含めて18人、合計20人までです。香取神宮は新郎方・新婦方それぞれ20名までと、両家ごとに上限を設けています。同じ「20」でも数え方が違うので、両家の人数を書き出してから照らし合わせてください。
乳幼児を人数に含めるか、車いすで御殿に入れるか、付き添いの席をどうするかは公式サイトに書かれていないことが多い項目です。該当する家族がいる場合は申込みの段階で神社に確認しておきましょう。
予約から当日までの流れ
挙式のみの場合も、流れは「日取りを押さえる→申込む→衣装・美容・写真を手配する→当日」の順です。香取神宮と日本橋日枝神社の公式案内を例に、時系列で並べます。
- 候補日を決めて神社に問い合わせる。香取神宮は仮予約を受付順で受け、開式時間は9:00〜15:00の範囲です。日本橋日枝神社は一日一組なので、希望日が空いているかを早めに確認します。
- 申込書を提出し、挙式料を納める。香取神宮は挙式初穂料10万円を申込金として納めます。日本橋日枝神社はのし袋に入れ、表書きは上に「初穂料」、下に「○○家 ○○家」と両家名を書きます。袋の選び方は初穂料の包み方・書き方・渡し方を参考にしてください。
- 衣装・美容・写真を手配する。香取神宮は衣装・美容の予約ができ、着付け部屋は数に限りがあるため要予約です。日本橋日枝神社は美容・衣装・写真を自由に選べます。
- 当日、指定の時刻に集合する。香取神宮は控室が社務所で30分前集合です。日本橋日枝神社は社務所で着付をする場合2時間前に来社し、着付けを済ませて来社する場合は神社でお直しができないため介添人の帯同を求めています。
- 親族紹介を経て挙式へ。日本橋日枝神社では挙式15分前に親族紹介を行います(省略可)。挙式時刻までは境内でスナップ撮影ができます。
神前式の式次第
式次第は神社ごとに少しずつ違いますが、大きな流れは共通しています。香取神宮が公式に案内している次第を例に紹介します。所要時間は神社ごとに違うので申込み時に確認してください。
- 参進:神職の先導で新郎新婦・参列者が御殿へ進みます。
- 修祓:お祓いを受けて身を清めます。
- 祝詞奏上:斎主が結婚を神さまに奉告し、祝詞を奏上します。
- 神楽舞:巫女による舞が奉納されます。
- 三献の儀:新郎新婦が盃を交わします(三々九度)。
- 誓詞・指輪交換:誓いの言葉を読み上げ、指輪を交換します。
- 玉串拝礼:二礼二拍手一礼で拝礼します。香取神宮では新郎新婦→両親→両家代表の順です。
- 斎主挨拶:斎主の挨拶で式が結ばれます。
作法は当日神職や巫女が案内してくれます。玉串拝礼の二礼二拍手一礼は普段の参拝と同じ所作なので、神社参拝の基本マナーで一度おさらいしておくと落ち着いて臨めます。
挙式のみでも確認したい5項目
披露宴がなくても、次の5項目は神社ごとにルールが分かれるので申込み前に確認してください。
1. 衣装:持込みは可能か、持込料はかかるか
日本橋日枝神社は衣装持込料が無料、猿田彦神社は衣裳持込料22,000円〜です。香取神宮は和装が主ですがスーツ・ワンピースなどの平服でも可としています。衣装の選び方や持込みの注意点は神前式の衣装・美容にまとめています。
2. 美容:着付け場所と美容師の持込み
猿田彦神社は美容・着付を協賛店の紹介とし、美容師の持込みは友人・知人であっても遠慮を求めています。香取神宮は着付け部屋が要予約で数に限りがあります。着付け場所は集合時刻にも直結します。
3. 撮影:指定業者か、持込みカメラマンは可か
香取神宮は写真・ビデオとも神社指定業者で、指定業者以外は挙式中の御殿内のみ別途料金で許可され、境内は指定業者に限られます。猿田彦神社は静止画・動画カメラマンの持込みを受けていません。日本橋日枝神社は写真を自由に選べます。差が大きい項目なので、神前式の写真撮影で確認ポイントを押さえてから神社に問い合わせてください。
4. 移動:着付け場所から神社までの手段
神社の外で着付ける場合は、和装のまま移動することになります。日本橋日枝神社が着付け済みの来社に介添人の帯同を求めているように、移動中の着崩れに対応できる人がいるかも考えておきましょう。
5. 会食:披露宴なしでも食事会を開くか
披露宴を開かなくても、挙式後に家族で食事会を開く形はよく選ばれます。日本橋日枝神社は披露宴会場を自由に選べるとしており、猿田彦神社は披露宴(食事会)を併せて行わない場合に神饌・玉串料20,000円を案内しています。食事会の有無は申込み時に伝えておきましょう。
二人だけ・家族だけで挙げる場合
参列者が二人だけ、あるいは両親だけという少人数でも神前式は挙げられます。日本橋日枝神社は一日一組で挙式のみを執り行う神社なので、少人数婚と相性のよい形です。香取神宮は平服でも可としているため、家族だけで簡素に挙げたい人にも向いています。
「挙式より簡略な形で、神前で結婚を報告したい」という場合には、結婚奉告祭(結婚奉告式)という選択肢もあります。日本橋日枝神社は通常の結婚式より簡略化したリーズナブルな結婚奉告式として、神前で結婚の奉告と夫婦円満・家内安全を祈念する形を案内しています(金額は公式サイトに掲載がないので問い合わせてください)。違いや申込み方は結婚奉告祭とはで詳しく説明しています。
仏前式(お寺)の場合
お寺で挙げる結婚式は「仏前式」と呼ばれ、神前式とは名称も作法も異なります。内容や費用は寺院ごとに違うので、その寺院に直接確認してください。神社とお寺の基本的な違いは神社とお寺の違いで整理しています。
よくある質問
二人だけで神前式を挙げることはできますか?
できます。参列者は上限が決まっているだけで、最低人数を定めている案内は本記事で取り上げた神社にはありません。念のため申込み時に「参列者なし」と伝えておきましょう。
披露宴をしないのは失礼にあたりますか?
失礼にはあたりません。神社側も挙式のみの申込みを想定しており、日本橋日枝神社は披露宴会場を自由に選べるとしています。親族への配慮が気になる場合は、挙式後の食事会でお祝いの場をつくれます。
いつごろ申し込めばよいですか?
香取神宮は仮予約を受付順で受けており、日本橋日枝神社は一日一組です。希望日が土日祝や人気の季節なら、日取りが決まった時点で早めに問い合わせるのが確実です。
平服でも神前式を挙げられますか?
神社によります。香取神宮は和装が主としつつ、スーツ・ワンピースなどの平服でも可と案内しています。平服を希望する場合は申込み時に確認してください。
挙式料はいつ、どのように納めますか?
納める時期と方法は神社ごとに案内があります。香取神宮は挙式初穂料10万円を申込金として納め、日本橋日枝神社はのし袋に入れ、表書きは上に「初穂料」、下に両家の名前を書きます。結婚の祝儀袋は結び切りやあわじ結びの水引を選びます。
雨の日はどうなりますか?
挙式そのものは御殿内で行うため、雨でも執り行われます。ただし参進は屋外を歩くことがあるので、雨天時の経路や傘の扱いは神社に確認してください。雨の日の参拝の備えは雨の日のお宮参り・七五三も参考になります。
条件を比較して神社を選ぶ
挙式のみの神前式は、挙式料・参列人数の上限・衣装や撮影の持込みルールの三つで候補が絞られます。呼びたい人数と衣装・写真の希望を書き出し、それに合う神社を探す順番がおすすめです。
神前式・仏前式に対応する寺社の一覧から地域ごとに候補を探し、気になる神社の公式案内で挙式料・人数・撮影ルールを確認してください。最終的な条件は公式サイトと電話での確認が確実です。

