神前式の初穂料(挙式料)に、全国一律の相場はありません。公式サイトで金額を確認できる神社の例を見ると5万円から18万円まで幅があり、雅楽や巫女舞、神饌の有無で区分が変わります。この記事では、2026年9月時点の各神社公式サイトの実例をもとに、名称の違い、のし袋の表書き、納める時期と渡し方までを順に整理します。金額そのものは、必ず申し込む神社の案内を優先してください。
神前式の初穂料はいくら?結論と目安
神前式の初穂料は神社ごとに定められており、全国共通の「相場」はありません。公式サイトで金額を公開している神社の例では5万円〜18万円と幅があり、同じ神社でも雅楽の有無や巫女舞の種類で複数の区分があります。
| 確認したいこと | 公式サイトで確認できる実態 |
|---|---|
| 金額の幅 | 5万円〜18万円(下表の3社の公式掲載額) |
| 金額を左右する要素 | 雅楽の有無、巫女舞の種類(式神楽の舞・豊栄の舞など)、神饌・玉串料が含まれるか、披露宴を併せて行うか |
| 別途かかりやすい費用 | 衣裳持込料、介添え、写真など(神社によって無料の場合もある) |
| 納める時期 | 申込時に申込金として納める神社、挙式当日に納める神社がある |
「○万円より」と案内されている場合、上位の区分ほど雅楽や巫女舞が加わり、儀式が華やかになります。どの区分を選ぶかは、式の雰囲気の希望や披露宴の有無で決めてください。神社選びの全体像は神前式・仏前式の寺社選びガイドにまとめていますので、費用以外の条件もあわせてご覧ください。
公式サイトで確認できる挙式料の例
公式サイトに挙式料を明記している3つの神社を並べます。名称も含まれる内容も、神社によって異なります。
| 神社(所在地) | 公式掲載の名称・金額 | 区分の考え方 |
|---|---|---|
| 日本橋日枝神社(東京都中央区) | 挙式料(雅楽付)50,000円/80,000円/100,000円 | 50,000円は巫女舞なし、80,000円は式神楽の舞あり、100,000円は豊栄の舞あり |
| 香取神宮(千葉県香取市) | 挙式初穂料 100,000円 | 申込金として納める。参列は新郎方・新婦方各20名まで |
| 猿田彦神社(三重県伊勢市) | 式典料 180,000円 | 披露宴(食事会)を併せて行わない場合は神饌・玉串料20,000円が別途 |
日本橋日枝神社(東京都中央区)は挙式のみを一日一組限定で執り行う神社で、参列は新郎新婦とは別に合計20人までと案内されています。香取神宮(千葉県香取市)は挙式初穂料10万円を申込金として納める仕組みで、仮予約は受付順です。猿田彦神社(三重県伊勢市)は式典料18万円のほか、披露宴を併せて行わない場合は神饌・玉串料2万円が別途と明記されています。同じ「神前式」でも、金額も名称も大きく違うことがわかります。
「初穂料」「玉串料」「挙式料」「式典料」の違い
名称は神社ごとの案内に従います。どれも「神様にお供えするもの」という意味では同じで、呼び方で金額や扱いが変わるわけではありません。
「初穂料」は、その年に初めて収穫した稲穂を神様に捧げた習わしに由来する言葉で、神事全般で使われる一般的な呼び方です。「玉串料」は、玉串(榊の枝)を捧げる代わりに納める金銭という意味です。一方で「挙式料」「式典料」は、神社が結婚式の費用として案内するときの実務的な名称です。日本橋日枝神社は「挙式料」と案内しつつ、のし袋の表書きは「初穂料」と指定しています。香取神宮は「挙式初穂料」、猿田彦神社は「式典料」と「神饌・玉串料」を分けて案内しており、神社ごとに言葉の使い方が違います。
迷ったときは、申込書や案内資料の名称をそのまま使えば失礼にはあたりません。なお、日本橋日枝神社では通常の結婚式より簡略化した「結婚奉告式」も案内されています(金額は公式サイトに非掲載)。詳しくは結婚奉告祭とはもご覧ください。
挙式料に含まれるもの・別途かかるもの
「挙式料が安い神社=総額が安い」とは限りません。挙式料に何が含まれ、何が別途かは神社ごとに大きく異なるため、必ず内訳まで確認してください。
日本橋日枝神社は、挙式料のみで施設使用料・衣装持込料が無料と明記しており、美容・衣装・写真・披露宴会場は自由に選べます。着付けを済ませて来社する場合は、神社でお直しができないため介添人の帯同を求めています。
猿田彦神社は式典料180,000円のほかに、衣裳持込料22,000円〜、介添え11,000円(挙式のみ)、写真六つ切りカラー2枚組22,000円と、項目ごとの金額が公式サイトに掲載されています。美容師やカメラマンの持込は、友人・知人であっても遠慮するよう案内されています。香取神宮は着付け部屋が数に限りがあるため要予約で、撮影は神社指定業者が基本、指定業者以外は挙式中の御殿内のみ許可され別途料金がかかります。
「衣装を持ち込めるか」「写真を誰に頼めるか」「介添えは含まれるか」の3点を軸に、総額でとらえるのが確実です。
のし袋の選び方
神前式の初穂料は、水引が「結び切り」または「あわじ結び」ののし袋に包みます。結婚は一度きりであってほしいお祝いなので、結び直せる「蝶結び」は使いません。お宮参りや安産祈願では蝶結びを使うため、家にある慶事用の袋を流用しないよう注意してください。
水引の色は紅白または金銀が一般的で、10万円前後を包むなら印刷ではなく実際の水引がかかった袋を選ぶと釣り合いがとれます。袋の扱いは初穂料の包み方・書き方・渡し方にもまとめています。
表書きの書き方
表書きは、上段に「初穂料」、下段に両家の姓を「○○家 ○○家」と書くのが基本です。日本橋日枝神社の公式サイトでも、挙式料をのし袋に入れ、表書きを上「初穂料」下「○○家 ○○家」とするよう明記されています。並びは新郎家を右、新婦家を左にするのが一般的です。
「御初穂料」「御玉串料」と「御」を付ける書き方も広く使われており、どちらでも失礼にはあたりません。神社によっては「玉串料」を指定する場合もあるため、申込時に確認するのが確実です。筆記具は毛筆または筆ペンで、濃い墨ではっきりと書きます(薄墨は弔事用)。
中袋の書き方
中袋の表には金額を、裏には住所と氏名(両家の代表者名または新郎新婦の名前)を書きます。金額は「金壱拾萬圓」のように大字で書くのが正式ですが、「金十万円」でも受け付けられます。神社が書式を指定している場合は、その案内に従ってください。お札は肖像のある面を表に、向きをそろえて入れます。中袋がない袋の場合は、外袋の裏面に金額と住所を書いておくと神社側が整理しやすくなります。
いつ、誰が納める?
納める時期は神社の案内に従う
納める時期は神社によって異なります。香取神宮のように挙式初穂料を申込金として申込時に納める神社もあれば、挙式当日に受付で納める神社もあります。申込時に納める方式では、その時点で予約が確定するため、日程を決めてから申し込んでください。
振込を案内している神社では、のし袋は不要な場合があります。現金と振込では用意するものが変わるため、申込時に「初穂料はいつ、どの方法で納めればよいですか」と一言たずねておくのがいちばん確実です。
両家の負担の決め方
誰が負担するかに決まりはありません。両家で折半する、新郎側が挙式料・新婦側が衣装を負担する、新郎新婦がふたりで負担する、といった分け方があります。どの形でも、のし袋の表書きは「○○家 ○○家」と両家連名にするのが基本で、負担の内訳は袋には書きません。申込前に両家で「誰が・いくら・どの費用を」まで話しておきましょう。
受付での渡し方
当日納める場合は、のし袋を袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で取り出して相手が文字を読める向きにして両手で渡します。袱紗は赤・えんじなどの暖色系が慶事用で、紫は慶弔どちらにも使えます。
新郎新婦は支度で手がふさがるため、のし袋は親族の代表者か介添人が保管し、受付で代わりに渡します。誰が持つかは前日までに決めておきましょう。香取神宮では社務所の控室に30分前集合、日本橋日枝神社では挙式15分前に親族紹介が組まれているように、当日は集合から挙式まで時間が限られます。袱紗はバッグの取り出しやすい場所に入れておいてください。参拝の基本作法は神社参拝の基本マナーで確認できます。
神職や巫女への謝礼は必要?
神職や巫女への個別の謝礼は、原則として必要ありません。案内された挙式料・初穂料に、ご奉仕への感謝がすでに含まれていると考えてください。
自己判断で別に包むと、神社側がかえって受け取りに困ることがあります。感謝を伝えたいときは、挙式後に直接お礼を述べるだけで十分です。なお、お寺で行う仏前式では費用の名称や納め方が神社と異なるため、こちらもお寺の案内に従ってください。
予約前の確認チェック
申込前に、次の項目を神社に確認しておきましょう。
- 挙式料(初穂料)の金額と、雅楽・巫女舞の有無による区分
- 納める時期(申込時か当日か)と方法(現金か振込か)
- のし袋の表書きの指定(「初穂料」「玉串料」など)
- 挙式料に含まれるものと別途かかるもの(施設使用料・介添え・衣裳持込料・写真)
- 参列できる人数の上限(日本橋日枝神社は合計20人まで、香取神宮は各20名まで)
- 衣装・美容・カメラマンの持込可否と持込料
- キャンセル・日程変更のときの初穂料の扱い
- 集合時刻と控室の場所(着付けをする場合は早めの集合になる)
よくある質問
初穂料は新札でないといけませんか?
必須ではありませんが、お祝いごとなので新札を用意するのが望ましいとされています。用意できなかった場合も、折り目の少ないきれいなお札を選べば失礼にはあたりません。
お寺の仏前式では何と呼びますか?
お寺では「初穂料」「玉串料」という神道の言葉は使わず、「御布施」など仏教の名称で案内されます。金額や納め方もお寺ごとに異なるため、申込時に案内名称を確認してください。
表書きの連名はどう書けばよいですか?
下段に「○○家 ○○家」と両家の姓を並べるのが基本で、右に新郎家、左に新婦家と書きます。新郎新婦の個人名で書く場合も、右に新郎、左に新婦の名前を並べます。
キャンセルしたら初穂料は返金されますか?
返金の可否や条件は神社ごとに異なり、公式サイトに明記されていない場合もあります。香取神宮のように申込金として先に納める方式の神社では、申込時に日程変更・キャンセル時の扱いを必ず確認しておきましょう。
参列人数で金額は変わりますか?
公式サイトで確認できる例では、挙式料は人数ではなく雅楽・巫女舞などの内容で区分されています。ただし参列人数には上限があり、日本橋日枝神社は合計20人まで、香取神宮は新郎方・新婦方各20名までと案内されています。
初穂料のほかにお礼の品は必要ですか?
必要ありません。案内された挙式料・初穂料を納めれば、それがご奉仕へのお礼にあたります。菓子折りなどを渡したい場合は、受け取ってもらえるか事前に神社へ確認してください。
神社ごとの費用と条件を確認する
神前式の初穂料は、金額だけでなく「何が含まれるか」「いつ納めるか」「誰に頼めるか」まで合わせて比べると、納得のいく神社選びができます。神前式・仏前式に対応する寺社の一覧から、気になる神社の条件を確認してみてください。
挙式だけを考えている方は神前式だけでもできる?を、衣装の持込や美容の手配で迷っている方は神前式の衣装・美容を、写真の依頼先で迷っている方は神前式の写真撮影をあわせてお読みください。いずれも神社の公式案内をもとに判断できるようにまとめています。

